大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(れ)1912 判決

主 文

原判決中被告人等に関する部分を破棄する。

本件を福岡高等裁判所に差戻す。

理 由

被告人A、同Bの弁護人松永芳市、同都甲直人上告追加趣意書第三点及び第四点

について。

原判決は被告人Aが運搬し被告人BがC丸に積込んだ密輸出物品が押収に係る原

判決別紙目録記載の物品であるという事実を確定し右物品は被告人D等の判示第一

の犯行に係るもので同被告人及びその共犯者の占有しているものであると認め昭和

二一年勅令第二七七号(関税法の罰則等の特例に関する勅令)九条一項によつてこ

れを没収したのである、しかし被告人Dに対する大蔵事務官作成の質問書によると

被告人A同Bが運搬積載に関与した物品はすでに密輸出され朝鮮統営港附近に陸揚

されたことが判るのであり、また大蔵事務官の差押目録をみると原判決の別紙目録

記載の物品(主文によつて没収された物品全部)はEが所持者になつておりE、F、

Gに対する大蔵事務官の各質問書及び門司税関長作成の告発書によるとEはC丸で

帰鮮すべく一月四日午後六時過ぎ頃(その頃C丸はすでに出帆)a海岸に右物品を

運搬していたところを発見されてH、Gと共に検挙されたもので即ち押収された物

品はC丸の積込みにおくれたものであることが判るのである、一方起訴状をみると

B、A、I、H、Eの五名はD、J等と共謀の上昭和二三年一月四日C丸で多くの

物品を密輸出し且密輸出せんとした事実が起訴されているのであるが原判決では密

輸出した事実だけを判示し、密輸出せんとした事実を判示していないのにかかわら

ず密輸出せんとして検挙押収された前示物品を密輸出した物品としてこれを没収し

たのみならず被告人A、同Bがその運搬積載に関与し密輸出を幇助したものとした

のであるから原判決には各所論のような違法あるものというべく原判決はこの点に

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おいて破棄を免れないから他の論旨に対する説明を省略する、そして右破棄の理由

は上告をした他の共同被告人に共通であるからその共同被告人の為にも原判決を破

棄する。

よつて刑訴施行法二条旧刑訴四四七条四四八条ノ二により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 松本武裕関与

昭和二六年六月二九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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